語学学校
イギリスの学校はロンドンから車で東の方へ1時間40分ぐらいのラムスゲートという海岸沿いの港町。あの有名なドーバー海峡の近くである。
ここを選んだのは、まず田舎で、どうせなら日本人が少なく、海岸沿いの町が良いなと思ったからだ。しかしやっぱり日本人はここにもいっぱいいた。
3ヶ月間はここでみっちりホームステイしながらの勉強尽くしの日々。
ホームステイは当たり外れがある。この家庭、大大大当たりであった。 まるでポパイのようなおじいさんに、一見こわもてのおばあさん。いかにもイギリスっぽい息子さんに、おっきい犬1匹(トビー。このワンコには、ほんと癒された。)と猫2匹。
このポパイのようなおじいさん、「タクの滞在は今までで最高だ!」とかわいがってくれた。(自分の名前は呼びにくいと勝手に呼び名をつけられた)
夕食のあと毎日のように新聞を広げ、「こっからここまで読んでみなさい」と僕のつたない発音に付き合ってくれて、その記事について色んなこと説明してくれた。ほんとにいい人だった。
もちろんイギリスの家庭料理を期待してはいけない。基本ポテトと冷凍食品である。とあるスーパーマーケットに入ってみると、ずらーっとすべて冷蔵庫だけしか並んでいない、というところがある。苦手なものはテーブル下のトビーにそっとあげていた。
でも、一日に何度もいれてくれるミルクティーは格別で、まだ寒い時期だった異国で心までも温めてくれた。ちなみに一番おいしいブリティッシュティーは普通のマーケットに売っている丸いティーパックのやっすいやつです。
学校初日、ガイダンスを聞いて、簡単なテストをしてクラス分けをするのだが、まったくわからず、結果が出る前にスッゴい自己嫌悪。自分から「一番下のクラスにしてください~~~~」と懇願しにいった。
学校にはクラスの半分ぐらいは日本人だったが、わからないところ教えあったり、寂しくなってきた頃に日本食パーティーやってくれたり、みんないいやつばかりであった。
ここで床屋の技がなかなかつかえた。まず、床屋の仕事を経験してから来ているということで、チャラチャラした学生上がりではなく、きちんとした社会人であると認識され一目おかれるということがある。もちろん、生徒や先生など色んな人をカットして昼飯代を稼いだりもできた。
近くにはみんなが集うブリティッシュパブがある。窓からは目前に海がひろがる。
海に入るにはまだはやい。海岸をいぬの散歩をする人が行き交う。この時期のイギリス特有のどんよりした重い空にはカモメが数羽、ドーバーからの風に身を任せている。窓辺に座ってそんな静かな午後を一人で過ごすのが好きだった。
夜になると、毎週末、いろんな国籍入り乱れての盛り上がったパーティー。こういうところで生きた英語をものにするんだけど、でもやっぱり話の内容は男と女の事。はい、万国共通です。
はじめの3か月間中、日本で紹介していただいたイギリス人家庭のお宅を訪問させていただいた。まだまだ英語もろくに話せない日本人に突然訪問されても困るだろうに、快くうけいれていただいた。
イギリス料理はまずいというのが定番だが、このご家庭ではほんとに手の込んだランチを出していただき、久しぶりのごちそうを頂いた。
ご主人は以前、NASAにお勤めだったとか。「近くにCrop Circleができたようだから見に行こう」と車に乗ったが、クロップサークル?が理解できずに、とにかくなんかの観光に連れて行ってくれるのかなーと。
到着してご主人が指さす方を見て初めて理解した。本物のミステリーサークルである。この写真は実際に見に行ったのとは同じものではないが、それなりに複雑な幾何学模様である。
以前テレビで、これは人間が作ったものであるというデモンストレーションをやっていた。
しかし実物を目の前にすると、本当に不思議で、鳥肌が立った。
実際にそのサークルの中まで入ってみる。以下は自分で撮った写真である。
見てもらってわかると思うが、ただ押し倒されているのではなく、一本一本が織り込まれているように重なっているのだ。
茎を曲げたところは、一様に正確に90度にくっきりと、しかも全く同じ方向へ曲がっている。
これを人間がただ踏み倒しただけで、しかも人知れず一晩で作れるとは到底信じがたいのだ。
宇宙人が作ったと言うつもりはないが、人間のなせる業ではないと思った。
ご主人、以前NASAにお勤めだったから、こんな非現実的なことは信じてないだろうと思ったら、
「この中心に立ってみろ。そして目をつむるんだ。どうだ、何か宇宙のパワーを感じるだろう。」とぞっこん信じちゃってた。
いやー貴重なものを見せていただきました。感謝。
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